第42回日本重症心身障害学会学術集会開催

2016年10月18日

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 第42回日本重症心身障害学会学術集会を、在宅支援(支援方法・支援内容)のテーマのもと、平成28年9月16日(金)~17日(土)札幌市教育文化会館にて道内重症心身障害児施設を運営する4法人の支援を得て開催しました。 応募演題数は、過去最大の250題にのぼり、800余名の参加者が集い2日間にわたり口演とポスターに熱心な討論がありました。

 会長講演は、40余年にわたる重症心身障害児者との関わりの中で得られた療育を実践する時の基本的な事項を平易に話しました。 特別講演は、縄文時代から北海道には人が住んでいたことを、考古学の視点から見た北海道の人類史を木村英明先生にお話しを頂きました。教育講演では、横浜訓盲学院校長の中澤惠江先生が実践中の児が見せる小さなサインを見逃さずに、次の重要なステップへ活用することの重要性をビデオを用いて講演されました。

 三浦清邦先生には、全国的に障害児と関わる人材不足が叫ばれる昨今、名古屋大学医学部の寄付講座において、医学部学生400人以上に重症心身障害児者教育を施され、重症児者や支援者の魅力を伝え、重症児者支援が当たり前に実施される世にしたいと、熱弁を振るわれました  

 本学術集会のテーマの在宅支援は、シンポジウムⅠの支援方法について田中総一郎先生を座長として、長岡療育園の小西徹院長に新潟県における現状と課題、鳥取県立相合療育センターの汐田まどか先生には地域生活支援型重症心身障害児施設のとりくみー開設10年のまとめーを話して頂きました。在宅支援の充実に伴って長期入所児数が減少し超重症児と短期入所の割合が高くなったとのことで、施設運営的には厳しくなっているとのことでした。

 次に、北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課長の植村豊さんより、北海道の在宅支援の経過が話され、平成30年4月の児童福祉法改正に併せ北海道の第4期障がい福祉計画も平成29年までに改定の予定とのことでした。

 北海道重症心身障害児者を守る会の太田由美子会長からは、郡部では療育の専門家が乏しいこと、1日がかりで月1回の療育を受けている現状であり、人材育成が急務であることなどが述べられました。

 シンポジウムⅡの支援内容では、島田療育センターはちおうじで長年にわたって在宅支援の第一線で活躍されている小沢浩先生を座長に、北海道療育園の林時仲園長により同園が行っている在宅支援について話され、特に既存の医療機関や福祉サービス事業所にたいし、重症児者の受け皿になって貰うために各種事業に取り組んでいること、そして受け皿の充足が喫急の課題と指摘されました。  

 生涯医療クリニックの土畠智幸先生は札幌圏での約140名の訪問診療について話されました。9割が在宅人工呼吸器装着患者で、全体の1/3が重症心身障害児者であり、呼吸管理のみならず全身管理・ケアマネジメント、関係機関との連携等について具体的に講演されました。次いで、訪問看護ステーションはこぶねPTの齋藤大地さん、楡の会子どもクリニックOTの金田実さんに発達期は勿論のこと、年長者においても残された機能を最大限活用することは、QOLはもちろん充実した人生を送るために必要とも言われました。

 以上A会場の概要を記しましたが、口演会場のB、C、D会場さらにポスター会場のE、F、G会場とも盛況であったと伺っています。

(学会長・院長 津川 敏 記)

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